ならし運転のような段階を上手くサポートする場を作ってあげたいと思っていました

東京リハビリ訪問看護ステーション中野 サテライト鷺ノ宮(精神科特化型)
所長/作業療法士 雄鹿 賢哉


Q. 東京リハビリテーションサービスに入職したきっかけは?

作業療法を学んでいた時から精神科領域に携わりたいと考えており、学校卒業後に秋田県の精神科基幹病院で3年間働いていました。
その後大学院の研究などをしながら茨城県で身体障害領域の回復期病棟で勤務していましたが、自分のルーツは精神科領域だなと思い直していた所に、精神科に特化した事業所を千葉県船橋市に展開しているというのを知り、会社説明会を経て入職しました。

Q. 精神科領域に携わりたいと思ったきっかけは?

臨床実習の時に精神症状で苦しんでいる方たちを見て、この人たちが地域で生活しているのを見てみたいと思ったのが大きいと思います。
それが出来るのが大きい病院かなと思い最初は秋田の入院病棟で働きました。
今はそれを訪問看護という形で見れるようになったので入職して良かったなと思います。

Q. 仕事のやりがいはなんですか?

やりがいを感じたのは、病院の時は体重管理など自己管理をしたい、といった悩みを抱えている方にリハビリの観点からアドバイスをした際に、患者さんから「成果が出た」と言われた時は嬉しかったですね。
船橋事業所で精神科訪問看護をしていた時は、退院した後で在宅生活を送る事に漠然とした不安を抱えている方が多かったんです。
そういった不安に対してリハビリを通して関わる中で、就労支援に通うことなど進路が決まったという報告をもらうと嬉しいしほっとしますね。

Q. 病院から訪問看護に転職した時に違いや戸惑った事はありましたか?

病院の作業療法室内で調理の練習をする時はキッチンの広さや高さが決まっています。
しかし実際の訪問看護で自宅に行くと色々な家庭があります。食器を戸棚のどこにしまうかという動作一つだけでも運動の方法が変わってきます。
そういった事をいかに解決できるかが作業療法として大切な事なんだなと改めて痛感しました。

Q. 好きな業務、楽しい業務はありますか?

以前船橋事業所でしていた訪問業務の中では、臨床という所での作業療法はその人の家での必要な作業に責任を持つ事も大事ですが、加えてその人はどうやってその作業を家で出来るかという所を“見える化”していく事が大事だと思いました。
今、所長という立場で仕事をしている中では、各関係機関との連携はやはり地域の最前線に立っている事を感じています。
当面は私が所長業務をしながら訪問に回る形になるので、先ほどの連携という所で“見える化”に貢献していけたらと思っています。
そこが作業療法と地域への貢献というキーワードかなと思います。

Q. 中野区に精神科訪問看護を立ち上げた理由は?

会社説明会の時に中野区の特徴を聞いており、医療と福祉の連携という所に課題があると認識していましたので、入退院から社会参加までの中間をサポートしたいなと思ったのが一番の理由です。
回復期病棟にいた時から感じていたのですが、退院してすぐにフルタイムで働くという事はハードルが高いのではないかと思っていました。
そこでならし運転のような段階を上手くサポートする場を作ってあげたいと思っていました。

Q. 鷺ノ宮ステーションの精神科訪問看護の特徴は?

自社の就労移行支援事業所(ワークステーションJade中野)が近くにありまして、そこでは平日9時から15時まで通うプログラムになっているのですが、その中だけでは見えない生活の部分があるかなと思っています。
服薬管理やアルコール依存の管理など生活の見えない部分を鷺ノ宮でカバーしていけたらと思っています。
Jadeが就労支援に向けた実践的な事をしているトップダウンとすると、鷺ノ宮はボトムアップ“底上げ”といったイメージですね。
基礎固めと実践を有効的に行えるのが特徴です。

Q. これからやっていきたい事、目指していきたい事は?

鷺ノ宮ステーションの特徴としてボトムアップという所があるので、まずは地域に生活している方に積極的に介入していく事と、Jadeを含めた他の就労支援事業所との連携をもっと行っていきたいと思っています。
先日Jadeの利用者様たちが鷺ノ宮に来てトマトなど野菜の苗を植えていってくれました。
こういった形で早速連携をしています。地域に住んでいる方が外出プログラムという形で鷺ノ宮に来て園芸をやってみるといった活動を行える場にしていきたいですね。

Q. 精神科訪問看護ではどういうケアを行っていますか?

看護師は特に症状面のケアですね。
気持ちの面で相談したり、実際にご自宅に行きケアや対処方法を確認しています。
作業療法士の場合はご自宅での活動という形になるので、日常での身体の動かし方などをサポートします。
さらにそこから応用的な事になると対人関係で困っている場合では、家で他のアクティビティに取り組みながら悩みを相談する、といった事も行っています。

Q. 働いていて大変だった事はありますか?

利用者様の最初の介入の時のニーズと異なり、関係性が出来てきた時に出てくるニーズが奥深かった、という事はあります。
最初は運動目的で介入したが、実は対人関係にも困っていて、という事があるのですが、最初の段階では深いニーズを拾いきれないという事が大変だと思います。

Q. 利用者様から本音を聞き出すコツはありますか?

まずはそこで信頼関係を築いていくことに限ると思います。
やっていく中で一緒に探索していける仲であることが大切かなと。
そうやって初めて見えてくるものがありますしね。

Q. きつくて辞めたいと思った事は!?

先ほど述べた一緒に探索していくという事はあくまで理想形であって、実際はスムーズに行かない事もあります。
上手くいっていると思ったらまたふりだしに戻ってしまうという事も症状の再燃という形でありますし、そういった所は葛藤を感じるところです。
作業療法・理学療法の分野はまだ若い分野なのでそこが発展していくともっと多くの人を救う事が出来ると思うので、自分たちももっと学ぶ必要があるし発信していく事も必要だと考えていますね。
葛藤はありますがそこで終わらせたくないなと思っています。

Q. 仕事と家庭のバランスはどう取っている?

私事ですが来月結婚する予定でして、バランスは大事だと思っています。
東京リハビリの方針の中に「社員・社員の家族第一」があるのはありがたいことですね。
訪問看護に関して言うと訪問での家事・調理練習では私自身にも作業療法することが大事かなと思っているので、家庭での家事や買い物なども楽しめているなと感じています。
そういった家事が訪問業務に役立つ事があるなと思っています。
会社のサポートもあるのでバランスは上手く取れているなと思います。

Q. 利用者さんからの時間外の連絡があると聞きました

依存が強い方などはそもそも連絡先を教えないという対応もありますが、利用者様家族に教えて相談に対応するという事があります。
利用者様とも時間内であればなんでも相談に乗るが時間外は対応しない、というルールを設ける事でセルフコントロールの一環としてやっていました。

Q. 入職を検討している方へ一言

鷺ノ宮ステーションを必要している地域の方々と共に生活し、更に就労をはじめとする社会参加へ向けたアプローチも共同で行っていける職場です。
一緒に利用者様の日々の課題に取り組み探索、解決していける場でありたいと思っているので興味がある方はぜひお声がけください。

ありがとうございました。

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